美濃瓢吾展「浅草人間絶景論」

2003年 9/23(火) - 10/5(日)
展示風景
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「人間絶景論」とはもともとある文庫本俳句集の解説にあった文句で、その「語感」だけが何となく頭に残っていて展覧会の見出しに使ってしまった経緯があります。

絵は人間をいきなり絶景とは呼ばないだろうが、変なことに、一本の匙が、金網が、満月が、ジェットコースターが、クラゲが、温泉が、一匹の犬が、カツ丼が、エレベーターが…。突然、人間に大接近したり、スルスル入り込むと、たちまちその人間たちや情景までが際立った面体や様相を呈してくる。そこには一編のショートストーリーさえも顔を覗かせるというのが私のこじつけです。

最近では古典落語の「あたま山」のような人体に風景が蘇生される「人間寄生木」も絶景人間と考えています。とにかく、出来得る限り凝縮され、中途の説明を省いた人間と情景の直截的な抱き合わせによる「人間マジック」と想って下さい。

(美濃瓢吾)