日常と並列させるために

11/1(火) - 11/6(日) 12:00 - 19:00(最終日17:00まで)
展示風景
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ここに集まった5人の作家は、自身や友人の身体、家の中の日用品、普段は気にも留めない生活音、身近な問題意識などをもとに制作をしています。そのような作品が照射するのは彼女たちが立っているフィールドに他ならず、ともすれば、それは世の中の大きな問題とは無関係に見えるかもしれません。しかし現実とは、決定的な出来事だけによって形成されるのではなく、様々な現象や個々の行動の集積であり、複雑に入組んだもののはずです。メディアがスペクタクルを生むというより、むしろ実生活の一部となっている今日では、洗濯を干して、仕事や学校に出かけ、帰りにスーパに寄る……そのような生活と、大きな問題は実は並列にあるのかもしれません。それは、自身の足下を常に意識する彼女たちからの提言です。
<アーティスト>

石原佳世(いしはら かよ)

1989年岡山県生まれ。神奈川県在住。2011年女子美術大学デザイン学科ヴィジュアルデザインコース卒業。グループ展に「温泉植物群落」(2008,長野県高山村)、「5美術大学交流展」(2009,武蔵野美術大学)等。卒業制作選抜展「女子美スタイル☆最前線2010」(2011,横浜BankArt)にてorange prize受賞。現在、MADインプレッショニスト受講中。
日常生活から生じる違和感やコンプレックス、もしくは価値観の変化から生まれるささやかな発見(気付き)をテーマとし、それらを自身のなかに根付く社会的慣習や文化を利用してつなぎ合わせ、新たな視点を込めた物語としてインスタレーション作品などを制作している。表現理念は、「ありのままを表現することで肯定する」ということである。
近作に、それぞれの人物が自身の全身のほくろの位置を観測し、それをつなぎ合わせて星座を作るプロジェクト型の作品《HumanConstellation》(2011)がある。

HP:http://web.me.com/kayoishihara
内田裕衣(うちだ ゆい)

1988年山梨県生まれ。東京都在住。2011年女子美術大学メディアアート学科卒業。現在、グラフィックデザイナーとして勤務しながら制作活動を行う。グループ展に、卒業制作選抜展「女子美スタイル☆最前線2010」(2011,横浜BankArt)、有志卒業制作展「unius」(2011,横浜赤レンガ倉庫)、「Girls Illust Exhibition#14」グランプリ受賞(2011,新宿The Artcomplex Center of Tokyo)、「Holiday vol.6」(2011,ギャラリーKINGYO)等。
感情、記憶、環境、喪失、アイデンティティなどを自分なりの哲学で解釈し、勝手な物語を創造する。フィクションをドラマチックに演出することで出来上がる、アンヴィバレントな世界観を大切にしている。

HP:http://yuiuchida.web.fc2.com/
小口菜緒実(おぐち なおみ)

1988年長野県生まれ。神奈川県在住。
2011年女子美術大学デザイン学科ヴィジュアルデザインコース卒業。
グループ展に、「じこまんてん」(2009,下北沢admingallery)、「千代田芸術祭2011」(2011,3331 ArtsChiyoda)等。「第5回File?展」(2010,女子美アートミュージアム)にて優秀賞受賞、卒業制作選抜展「女子美スタイル☆最前線2010」(2011,横浜BankArt)にてvioletprize受賞。現在、MADインプレッショニスト受講中。

社会から直接的・間接的に淡々と与えられる衝撃的事実に対し無関心でいることへのアンチテーゼとして、自身の身体を使って扱い直し、映像などの記録に残してインスタレーション形式で発表している。
挑戦的にグダグダで不器用で未完成な私が、ある問題に立ち向かうことで、社会や誰かに何かしらの力を与えられるかもしれないという仮想から活動を行う。
園田智恵子(そのだ ちえこ)

1988年岐阜県生まれ。栃木県在住。2011年女子美術大学メディ アアート学科卒業。
グループ展に、「TOKYO DESIGNERSWEEK2009」(2009,明治神宮外苑)、「14人のへんなこえ」(2010,ランドマークホール)、卒業制作選抜展「女子美スタイル☆最前線2010」(2011,横浜 BankArt)、有志卒業制作展「unius」(2011,横浜赤レンガ倉庫)。個展に「one」(2010,narucocafe)等。

例えば、歩く、波が寄せて返す、鉛筆で文字を書く等、何気ない日常の動作や事象の積み重なりによって世の中は構成されてると考え、制作を行っている。
ただそこで起き、単に目に映ったもの、普段気にも留めないそれらに目を開いたとき、そこで起きているささやかで壮大な何かを視る事が出来る。それらを形にして行くということが制作の主題である。
早渕仁美(はやぶち ひとみ)

1988年徳島県生まれ。東京都在住。2011年女子美術大学メディアアート学科卒業。グループ展に、「TOKYO DESIGNERS WEEK2008」(2008,明治神宮外苑)、「スキスキ大スキ!カエル展」(2009,相模原市立博物館)、「14人のへんなこえ」(2010,ランドマークホール)、卒業制作選抜展「女子美スタイル☆最前線2010」(2011年,横浜BankArt)、有志卒業制作展「unius」(2011,横浜赤レンガ倉庫)等。
「日常」に潜んだ素材を利用して作品制作を行う。例えば家の庭、玄関、スケジュール帳、洗濯ものなどが放つ生活感や人の存在感に注目し、それらの拡大を試みる。あたりまえのものを再提示することで、誰かの生活に変化をもたらすことができるかもしれないと信じて制作を重ねている。
<キュレーター>

飯島真理子(いいじま まりこ)

1986年長野県生まれ。東京都在住。女子美術大学大学院芸術文化専攻在籍。
アラン・レネ監督、マルグリッド・デュラス脚本の《ヒロシマ・モナムール》(Hiroshima,mon amor,1959)をもとに、戦争経験と言及、あるいは、ある事件に対しての経験と表現についての考察を行う。