河明求・堀太一・松本充央「まなざしの美学」　コーディネーター：山下晃平

「zero展」とは、埼玉県朝霞市にあるレジデンス施設「丸沼芸術の森」に滞在する陶芸家3名（河明求・堀太一・松本充央）によるグループ展の名称であり、第１回を2014年2月に「丸沼芸術の森」で開催しました。今回はその第2回展となります。本展では「まなざしの美学」というテーマのもと今日の工芸の地平を問う企画展を行います。

21世紀に入りいわゆる「アートワールド」はより周縁的地域性を取り込みつつあると言われていますが、一方でその地域性や多様性の視点によって、各地域固有の文化・歴史への関心も高まってきています。今日の工芸領域もまた、より多様な造型姿勢を伴ってきていますが、本展ではその固有の文脈を捉え直す思考とそれに伴う新たな展示空間のあり方に焦点を当てます。

「まなざし」には、素材や技法に対する作家の様々な姿勢を含意する一方で、従来の西洋に起因する「鑑賞」から「まなざし」へという展示に対する問いかけを本展では含みます。出品作家はそれぞれ伝統的な技法を踏襲しつつも、従来までの素材へ向き合う姿勢を更新し、かつこれまでの「作品展示」の場ではなく「人と人とが集う場」としてのあり方を模索しています。

このように本展を通じて、素材に「触れ・感じ・見つめてきた」東アジア固有の文脈について再考する場を作品とその空間双方から、訪問者に提示することを試みます。

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座談会
4月25日（土）14時〜15時半

河明求
1983　韓国・ソウル生まれ
2009　韓国・慶熙大学陶芸科卒業
2012　Royal college of art ceramic & glass exchange program 修了（イギリス）
2013　京都市立芸術大学大学院修士課程工芸専攻修了

堀太一
1985　岐阜生まれ
2010　武蔵野美術大学建築学科卒業
2013　多治見市陶磁器意匠研究所修了

松本充央
1978　東京生まれ
2001　東京ビジュアルアーツ映画芸術学科卒業
2011　横浜いずみ陶芸学院研究科修了